こんにちは。
八咲コンサルティングの松田です。
今回から4回の予定で工場等の現場監督者として、身に付けておきたい事柄や
仕事の進め方についてお話しますので、お付き合い願います。
まず、今回は『現場監督者に求められる心構えと役割』についてお話したいと思います。

現場監督者になる方や既になられている方は、年齢や勤続・経験年数、
また、技能優秀によってステップアップされたと思います。
しかし、現場監督者の役割は以前の作業者とは大きく変化します。

これから、現場監督者に就く方はこれからお話する内容を参考にして頂き、
既に現場監督者として従事されている方は、現在の状況と比べてみて、
今後に参考して頂ければと思います。

〔1〕 特定の技能が優れているだけでは、現場を動かすことはできない
現場監督者の仕事として、一つの作業や工程だけでなく、前後の作業や工程との連携や
複数の作業や工程の監督が必要となる事が考えられます。
従って、現場監督者は特定の技能が優れているだけではなく、前後工程、
及び可能な限り全工程において技能レベルが高い事が望ましいと考えられます。
但し、多工程の技能レベルが高いだでは、多能工作業者となりますので、
更に、現場を動かしていく為には、現場監督者に必要な要件があります。
以降で、現場リーダーの役割・日常行動・視点をお話していきます。

〔2〕 現場の主役は作業者である
『現場の主役は作業者』の意味は、下記の3点です。
① ものづくりの工程に配置されている”4Mの核”となるのが”人(作業者)”である
② その人達の指先で直接、又は、機械を操作することによって、作業が進められる
③ 進められた作業の結果で、加工の”品質”や”生産性”が決まる
※4M・・・Man(人)・Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)
上記の通り、Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)を、
全てMan(人)『作業者』が扱う事によって、ものづくりが成立する為、
『現場の主役は作業者』となります。
現場監督者としては、機械の操作や材料の扱い、作業手順は重要ですが、
作業者が最も重要であると心得て現場監督する必要があります。

〔3〕 現場監督者は先頭に立って現場をつくるという意識が必要
現場監督者は、常に作業者から見られており、現場監督者の姿勢が現場の姿勢となります。
従って、現場監督者は、自らの姿勢を意識していく必要があります。
現場監督者として、下記について意識し心掛ける事が重要です。
① 現場リーダー自身が仕事に真剣に向き合う
② 現場リーダーが楽しんで仕事に取り組む
③ ハッキリとものをいう
④ プラス思考でものを考える
⑤ 現場の一体感を出させる
⑥ 作業者の言葉には、とにかく耳を傾ける
以上を現場監督者が意識し実行する事によって現場全体の意識となっていきます。

〔4〕 刻一刻と変化する現場第一線における状況判断が重要
現場監督者として常に現場の状況を把握する事が使命となります。
現場は、刻一刻と状況が変化すると考えられ、特に早期に異常を把握し、
異常が起これば迅速に緊急停止及び修正の指示を出す状況判断が必要となります。
その為には、起こり得る異常の知識と異常を確認する手段を講じておくことが重要です。
1.起こり得る異常
① 品質不具合 ・・・ 加工・材料・設計・設備。。。etc.
② 工程中断 ・・・ 設備停止・材料欠品・前工程遅れ。。。etc.
③ 生産効率低下 ・・・ サイクルタイム(設備・人)オーバー。。。etc.

2.異常確認の手段
① 現場巡回
② 作業者からの報告
③ アンドン等の信号によるアラーム
以上の様な準備をしておくことで、迅速な異常対応が可能となります。

今回は、『現場監督者に求められる心構えと役割』についてお話しました。
次回以降は、『現場監督者の仕事の進め方』についてお話します。