こんにちは。
八咲コンサルティングの中西です。

本日は、製造現場の基本とも言われる整理整頓。
以前、整理についてのお話をしましたので、今回は整頓についてです。

一般的に“整頓とは、誰もが使いやすくて、戻しやすい状態にすること”だとされています。
ただし、この取り組みは整理が出来ていることが前提であって要らない物があるうちは、物の置き場を最適化することができないので整頓が完成することはありません。
だから、整理と整頓はセットで言われるし、整頓整理などと逆にはしないのです。

よくある整頓の活動として、台車の区画線や工具の形をスポンジで切り抜いて置き場を整備している企業を良くみかけます。
しっかりと明示をしていて素晴らしいと感じる場合もありますが、多くの場合は整頓に取り組んだ当時と現状とでは使用している台車も工具も変わっており、せっかくの明示と違う物が置いてあったり、歯抜けの置き場になったりしています。

私は、整頓の本質は置き場の明示ではなく“最適化”にあると考えています。

現場というのは日々、現状にあわせて改善するのが当たり前です。
そういった中で細かな置き場を明示しすぎる行為は、管理コストがかかる上に最適化を阻害してしまう結果につながりかねません。
なので、維持するだけの管理コストをかけられない中小企業の場合、あまり細かく置き場を明示することをあまりお勧めしません。

経験的なことですが、中小企業の整頓としては、
①物を効率的に運搬したり、人が安全に通れる通路の確保
②外段取を短時間で行うためのネクスト品置き場の確保
③段取で使用する工具のセット化
程度が出来ていれば、十分に生産性は向上します。

あとは、細かく明示することに力を入れるよりも、実態に合わせて①~③を随時最適化することに時間をかけてはいかがでしょうか。