近畿経済産業局・近畿財務局 認定経営革新等支援機関(ID 106227000712)

製販組織の一体化

製造と販売の連携を高め、利益を出せる組織を作りたい

課題認識

製造部門と販売部門のセクショナリズムが強く、結果的に利益が出にくい体質になっている例として、販売会社と子会社化された製造会社の改善事例を紹介します。
本来、製造会社の分離は、製造をひとつの機能として独立させることで成果を明確にし収益意識を高めるのが狙いとなります。
しかし、そのバランスが崩れると製造会社は「とりあえず言われた物だけを作れば良い」「売れないのは販売部門の営業力が弱いからだ」といった受け身の組織風土になり、販売会社も「販売会社の利益を考えれば製造会社から仕入れない方が良い」といった考えを持ち始めます。

A社状況

A社は、食品販売店の系列工場で自社店舗向け商品の開発、製造を中心に生産高10億円程度の規模で工場運営を行っていました。
しかし、市場ニーズの変化によってオリジナル自社製品のニーズは徐々に減ってきており、店舗でのマネキン販促、生産性改善、外販推進なども行ってきましたが、継続できず利益確保が困難な状況に陥っていました。

本社機能から相談を受けて工場の診断を行ってみると、利益確保のため管理者は少なく、多くの意思決定が担当者任せになっていました。
結果、販売会社からのニーズを汲みきれていない商品開発、不採算商品の販売、加工不良による材料ロスが状態化。それにも関わらず受け身な体質から改善が進まない状況になっていたのです。

ソリューション

そこで、「商品提案ができる一人前の食品加工会社へ」をかけ声に①製造・販売一体、②利益構造の見える化、③材料ロス改善の3テーマを中心に1年間のプロジェクト活動を実施。
具体的には、
・販売会社との商品開発会議活性化。売上目標の共有
・現場の生産性を見える化することによる改善の推進
・製品別原価管理の精度向上と不採算商品の見直し
・ロス改善に着眼した現場でのQC活動
などに取り組みました。

その結果、来店客層に合わせた商品の開発や端材料を利用した新商品の開発、現場主体の改善が行われるなど、製造会社の営業利益率で1.5%程度の改善につながりました。
加えて、原価管理制度のレベルアップやマネジメント人材の育成、営業マインドの醸成など、組織力の強化にも効果が出ており、持続的な成長につながる土台の構築にもつながっています。

取り組みのポイント

こういったセクショナリズムを持つ会社の課題は、パワーバランスが崩れているか、もしくは自部門の収益に固執しすぎることにあります。
例えば、全体としての利益や在庫を見える化したうえで、部門横断的な活動や機能面で弱い組織のマネジメント強化に取り組むことで全体としての収益性を高めることができます。

PAGETOP
Copyright © 株式会社八咲 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.