こんにちは。
八咲コンサルティングの中西です。
今回は、成果を出すための改善マネジメントについてのお話です
20億円規模の部品メーカーからご相談があり工場診断を行った時のことです。
工場を巡回していると、掲示板に「工場改善計画」が貼ってあり、実行スケジュールは、
現状の把握(4~5月)、対策の検討(6月)、対策の実施(7月)、効果確認(8~9月)
とされていました。
そこで、工場長に成果を伺ってみると「成果が出ないため10月から再チャレンジしている」とのこと。
確かにこの方法だと成果は出ないだろうと思ったのを覚えています。
私は“改善サイクルは短く回す”ことをお勧めしています。
例えば、現状の把握から効果確認までを1ヶ月で行ってしまえば、6ヶ月で6個の改善に取り組むことができます。
同社のようなアクションプランでは、半年かけて改善策を1個しか実施しないのですから、6倍の速さ改善が進んでいくはずです。
では、どうやって改善サイクルを早めていくかというと、
①まず現状の把握では、月次でモニタリングしているQCD指標をそのまま使えば良いでしょう。
もし、そういった指標がなければ、管理者として新たに設定するべきです。
②対策については、担当者が考えている改善案に問題がなければ積極的に採用しましょう。
大した効果が無くても検討に時間を採るより、まずやってみる数を増やすことを優先します。
③対策の実施については、優先順位をつける必要はありません。できるものから並行して進めます。
④効果確認は、現状把握で使った月次の管理指標を使いましょう。
わざわざ改善策ごとに分けて成果を測る必要ありません。
また、効果確認期間を設けて改善を停滞させること自体がムダだと言えます。
この方法なら毎月、たくさんの改善をして、その結果を月次の指標で確認することができます。
また、普段は管理者が使っている指標をそのまま使うので、管理者側と現場側との意識が乖離せず、活動が形骸化しなくなるはずです。