こんにちは、八咲コンサルティングの村上です。
今回のテーマでは、運転資金の構造を規模を押さえることの大切さを
2回にわたってご説明しています。
2回目は、運転資金の資金繰りに対する影響について
お話をしたいと思います。
前回にお話したゼネコンの事例では、
運転資金を投資にまわした結果、資金繰り難に陥りました。
しかし一般的には、季節変動の大きい業種
(旬のある漁業や酒造メーカーなど)を除けば、
平常時はさほど運転資金を意識せずとも
資金繰り面で問題にはなりません。
運転資金が資金繰りに大きく影響するのは
売上に急激な変動が生じる時です。
例えば新規事業の立ち上げ・撤退、店舗の出店・退店、
特定の要因による急激な売上の増加・減少などです。
この時運転資金がプラスの場合は資金流出が生じ、
マイナスの場合は流入が生じます。
金額もある程度妥当な数字を算出することが出来ます。
そして最も大切なのは、
自社の運転資金の構造と規模を押さえておくことです。
運転資金がマイナスで規模も大きいと、
余剰の現預金が社内にあるはずです。
もしそれが無い場合、本来あるはずの資金は
過去の赤字補填に消えているか、
投資に回っているということになります。
運転資金がプラスで規模が大きい場合、
相当の資金が流出している状態です。
この運転資金は市況が厳しい時や事業撤退時に、
売上の減少とともに企業に戻ってくるので、
借入金の返済やリストラクチャリング費用の原資として
ある程度見込むことが出来ます。
※回収不能の売掛金や不良在庫は除きます。
このように、経営判断において運転資金の
構造と規模は大きな論点であると言えるでしょう。