八咲コンサルティングの村上です。

本日は、BS(貸借対照表)を修正して
経営の実態をつかむというお話です。

財務三表(BS,PL,CF)のうち、経営状態を知るのにどれが最も重要か。
私ならBSと答えます。

PLやCFはあくまで単年のフロー情報ですが、BSはストック情報です。

個人に例えるなら、1年間の家計(PL,CF)を知るより、
その家の貯金額や借金額、持ち家の価値等(BS)を知る方が大切ということです。

ある地方企業は、経営に特に問題はないように見えました。
決算書上では黒字で、資産超過。
が、資金繰り難で銀行から金融支援を受け、経営再建中です。

実はこの会社はバブル時代に多数の不動産を購入していました。
バブル崩壊後、不動産価値は半分程度となり、
売上の減少とともに借入の返済と金利負担が賄えなくなったのです。

別のあるメーカーも、同じく決算書上は順調に見えたが
資金繰りが苦しい状況でした。
調査の結果、仕掛品に多額の試作品が計上されており、
使用していないが現金化もできずそのまま塩漬けになっていました。

この会社は歴史的に試作品の製作費用が過大でしたが、
資金が逼迫するまで問題に気付かれませんでした。

実際、経営状態が悪化していても、
悪化の程度はなかなか把握しづらいものです。

財務上の問題点には気づいていても、資金繰りが問題なく回っているうちは
倒産の危機に瀕しているとまでは考えにくいでしょう。

その結果、資金繰りに逼迫してから事態の深刻さに気付き、
対応が後手になってしまうケースは多いと感じます。

しかし、経営状態はちゃんと分析すれば正しく知ることができます。
それには決算書が強力なツールになります。

が、ただ眺めても何も分かりません。ポイントは実態の数字を掴むこと。
決算書を分析し、修正してみることで経営状態を正確に把握することが可能です。