八咲コンサルティングの村上です。
本日はPLのお話です。
PLは1年間の複雑な経営活動をひとかたまりで表現したものです。
このかたまりを効果的な軸で分けることで、
鮮明に会社の事業活動を把握することができます。
その軸の1つが、事業別損益です。
事業別損益を把握する意味は2つあると考えています。
①各事業の採算意識の醸成
ある会社は、本業の他に昔から所有する不動産で
収益を上げてきました。
事業別損益を作成しておらず、
本業が傾いても、賃料収入が収支を支えた為危機意識が働かず、
累積赤字で資金繰りが厳しくなってしまいました。
この会社は、本業と不動産事業を
二つの会社に分割することを選びました。
人員、不動産、金融債務も二つの会社に分けました。
会社分割手続きと不動産移転により相当のコストがかかりましたが、
本業が赤字でも不動産があるから大丈夫という歴史的な認識を改めることが
事業改善に必須であるとの判断のもと、踏み込んだ施策に出たのです。
結果、本業の採算が明確に可視化され、
経営難を乗り越えることが出来ました。
これは極端な例ですが、
事業別収支を把握する意味を端的に表しています。
②予測や計画の精度の向上
事業が異なれば収支の動向もお金の動き方も異なります。
合算でなく事業別に数字を踏まえ
予測や計画計数を積み上げで作ると、
売上費用の増加、減少、進出や撤退、改善活動による効果等を
計数に織り込みやすくなります。
こうして作成した予測や計画は合算で作成するより精度が高く、
予実を対比することで改善活動にもつなげやすくなります。
PLを分析する際の軸は他にもあります。
次回は売上粗利分析をご紹介します。