八咲コンサルティングの村上です。
本日は前回に引き続いてPL分析についてです。

なかでも販売チャネル別に粗利率を算出した改善事例のお話をします。

PLの中で、売上・粗利は特に重視したい数字です。
売上~原価の中身は会社ごとに大きく異なり、
市場の影響を強く受け、意思決定のみで増減させることが難しい項目です。

売上高と原価の中身はその会社のビジネスそのものであり、
売上・粗利率とその推移は、
事業に対する市場からの評価だと考えられるからです。

売上・粗利の分析は業況を把握する上で重要ですが、
会計データのみでは抽出できる情報に限界があります。

そこで、営業や製造の現場にある会計以外のデータを
売上粗利データと組み合わせることで、必要な情報を作っていくのです。

あるメーカーでは、商品を大・中・小サイズで
複数のチャネルから販売していました。

チャネルごとに販売手数料が設定され、
また大・中・小の取り扱い比率が異なっていました。

粗利分析ができない為、
どのチャネルでどれ位利益が出ているのかも分かりませんでした。

その結果、営業部門では売上高だけを重視し、
販売手数料率の高いチャネルを開拓。

この販売手数料が利益を圧迫し、
利益率を落とすことになってしまいました。

そこで、各部署の代表者が意見や情報を出し合い、
社内のデータを活用して
チャネル別・サイズ別に販売手数料を加味した利益率を算出することにしました。

結果、利益の薄いチャネルに注力しており、
営業戦略を見直しが必要であることが分かりました。
得られた情報は営業戦略を再検討するためのベースになりました。

こういった利益管理は、営業部門の付けた付加価値が分かるようになるため、
部門業績や人事評価へも展開できるようになり、営業部門の活性化にもつながります。

次回は、プロジェクト型事業における例を挙げます。