こんにちは。八咲コンサルティングの喜田です。
今回で第3回目になりました。前回でご紹介した交渉力を土台にして、いよいよ交渉スタートです。

交渉を行うポイントの一つに、キーマンを常に意識するという考え方があります。
受注という形で実際に成果を享受するためには、キーマンでない相手にいくら提案しても成果は乏しくなります。
キーマンをいかに見つけ、そのキーマンが抱える問題・課題を発見し、それに対する解決策を提案できるかが重要となります。

キーマンには大きく3つあり、「使用のキーマン」、「財務のキーマン」、「影のキーマン」になります。
特に大手企業と取引を行う上では、この3つのキーマンを常に意識することは大切になります。

例えばメーカーに対する提案営業の場合は、使用のキーマンとは技術部門(担当技術者とその上司)であり、財務のキーマンは購買部門(担当者とその上司)、影のキーマンは顧客の上層部(技術部門の部門長、取締役など)であったりします。
この場合、キーマンを上手くおさえていないと、「顧客上層部の鶴の一声でライバル社が受注した」というような事態になったりします。日頃からキーマンを意識して営業活動を行い、3つのキーマンに対して効果的なアプローチを心がけてください。

交渉の手順としては、大きく交渉前、交渉中、交渉後に分けられますが、やはり交渉前がとても大切になります。
事前準備としての情報収集、この部分で勝負が決まると言っても過言ではありません。
今回の交渉におけるゴールのイメージを明確にして、相手が嫌なことを言ってきた場合でも上手い返し方を準備できれば、こちらの思い通りの交渉になる可能性が高まります。

交渉中に関しては、Win-Winの関係を意識しながら、事前準備で整理した仮説に基づいて質問と傾聴を繰り返すことができれば、顧客にとっても、自分にとっても有意義な時間になるのではないでしょうか。

交渉後や受注後に関しては、リピート受注や次なるアポイントを取るためにも、顧客から宿題をもらうというスタンス、メンテナンスが一番儲かるというスタンスで取り組んでほしいです。
実際に多くの企業で上手いビジネスをされているケースは、リペアやメンテナンスに深く関与しているケースが多く、顧客と深く関われば関わるほど、スイッチングされるリスクは大幅に軽減され、どんどんビジネスが拡大する傾向が強いです。
ある意味で、この部分にどれだけ注力できるかによって、営業成果の部分は大きく変わってくるのです。